2017年新語・流行語大賞の年間大賞を受賞した「インスタ映え」、「忖度」をはじめ、「うんこ漢字ドリル」(古屋雄作)、「一線を越える」(今井絵里子参議院議員)、「35億」(ブルゾンちえみ)、「魔の2回生」(森山志乃芙)、 「このハゲーーー!」(豊田真由子元衆議院議員)など今年も傑作な流行語がいくつも飛び出したが、それらすべてを凌駕するほどのインパクトがあったのはやはり小池百合子都知事の「排除いたします」ではなかろうか。これに関してなかなかうまいことを言うなと思ったのは、本屋で立ち読みした某右翼雑誌の中で、作家の百田尚樹氏が都知事とまったく同じことを言っていた希望の党所属の細野豪志前衆議院議員を芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に出てくる前泥棒カンダタに喩えていたところである。
「地獄で苦しんでいるカンダタは生前一つだけ良いことをした。踏み潰す寸前の蜘蛛に気がつき、助けた。お釈迦様はこれを嘉し、天上から蜘蛛の糸を垂らした。糸に気がついたカンダタは糸を登り始める。これを見た他の亡者どもも糸を登る。カンダタは奴らの重みで糸が切れてしまうと恐れ、下りろと叫んでしまう。その時、糸は切れるのだ。」
百田尚樹氏といえば、沖縄の反基地闘争についての的外れな誹謗中傷や歯の浮くような安倍総理礼賛などどうしようもないトンデモ作家であることは間違いないのだが、たとえ大嫌いな作家であろうとも的確な発言があればちゃんと評価するところが私のエライところでもある、とちゃっかり自画自賛したところで、皆さん、良いお年を!