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サブカル雑食手帳

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2008年08月07日

「漫画Q」とセクシー怪獣

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1966年に新樹書房から創刊された週刊「漫画Q」は当時、その下品さと猥雑さにおいて決して他の類誌の追随を許さなかったと言われる、いわば伝説の俗悪低級エロ雑誌である。その「漫画Q」に漫画「セクシー怪獣シリーズ」が連載開始されたのは創刊翌年の1967年であったという。私はリアルタイムでこの「セクシー怪獣シリーズ」を読んだことがなく、今から10年ほど前に太田出版から刊行された、QJ裏マンガ選書「セクシー怪獣大暴れ」(「セクシー怪獣シリーズ」を一冊の単行本にまとめたもの)によって初めてこの卑猥極まる性獣たちの存在を知ることができたのである。読者はまず、ドエッチラ、デバガメラ、ノゾキーラ、スケベンゴ、シリキラー、レスビドンなどいかにも「漫画Q」らしい変な名前の怪獣が次々と現れては暴れまわるというその出鱈目なエロ・グロ・ナンセンスパワーに圧倒されるであろう。あまりにドエッチな怪獣が多過ぎて、どれを紹介しようか迷うほどだが、ここでは一応「変態怪獣」からツンパドロンとMW69、「男を襲う怪獣」からワギナスムラとオルガスムラを紹介しておこう。

(ツンパドロン)雑食怪獣の一種だが、人間の女の下着、とくに着古したナイロン・パンティやブラジャーを好んで食べる。物干竿に干してある下着を取るのに便利なように、先端に鈎のついた伸縮自在の腕を持っている。

(MW69)フランス産の奇妙な形をした怪獣。永い強力な舌で敵をなめ殺す。なお、二匹が逆にかさなり合った形をしているので、逆立ちでも楽に歩ける。

(ワギナスムラ)エレキ怪獣の一種。主としてオスの動物を狙い、電気を発して体ぢゅうをけいれんさせ、相手をしめ殺す。

(オルガスムラ)ワギナスムラが進化したもので、電気のほかに、多量のネバネバした毒液を出して敵をしびれさす。


  なお米沢嘉博氏はこの本の解説の中で、こうした「エロにまみれた腐った脳でなければ思いつかないような、身もふたもないウルトラH怪獣」(米沢嘉博氏評)が60年代末の日本に大挙発生した事情を次のように分析しています。

「卑俗さ、低俗さに開き直り、大衆の俗に身を任せ、性の猥雑なる妄想を全開させることへの支持は、六〇年代末の『性』による状況の全面突破という方法論とも通底していたに違いない。その是非は置くにしても、ここには、連綿と流れてきたアケスケなる性、猥談の持つ、全ての虚飾をはぎとっていく後の光とパワーがあることはまちがいない。『ウルトラマン』による怪獣ブーム、芸能スキャンダル、ゴシップ・ブーム、発展途上のエロ・マンガ、生き残りをかけた実話雑誌のなりふりかまわぬサービス、そんなものがいっしょくたになったこの世界は、突然変異的に出現したのである。」


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For All Sports Lovers! SPORTS OHEN PROJECT 2008
posted by 下等遊民 at 22:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いや〜これは初めて知りましたが、実に素晴らしいですな!。エログロ・ナンセンスと怪獣を組み合わせるというのは、ウルトラマン、ウルトラQ、怪奇大作戦で育った世代にはタマランものであります。この時代にしてこの発想はまさにブッ飛んでいますね。
何かフラッシュ・ゴードンのポルノ版パロディーの「フレッシュ・ゴードン」の原点を見たような気がします。
Posted by wakuwaku1776 at 2008年08月07日 22:46
 >wakuwaku1776様

 >この時代にしてこの発想

 私の場合、このエロ・グロ・ナンセンスの権化のような性獣たちを見てまず思い出したのは、1980年代の半ば頃に観た、「フロムビヨンド」という、今はなきエンパイア・ピクチャーズのB級エログロホラー映画でした。ブリトリアスというマッド・サイエンティストが、特殊な装置を使って脳の中にある性欲をつかさどる「松果体」という器官を肥大化させることにより、性的妄想の権化のようなグロテスクな怪物に変貌してしまうといったような内容でしたが、「漫画Q」のセクシー怪獣こそは20年も前にこれを先取りしてたって感じがします。国産の怪獣では、モスラがちょっとバイブレーターを連想させるところがあってそのままセクシー怪獣としても通用しそう。いずれにしろ、このセクシー怪獣というネーミングはセクシーという言葉が60年代末の日本では今よりはるかに猥雑なニュアンスを含んでいたことの何よりの証しかも知れませんね。
 


Posted by 下等遊民 at 2008年08月08日 01:30
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