「とりあえず時計の針を巻き戻してみよう。ときは一九七〇年四月ニ七日。場所は大阪・千里丘陵。春たけなわのできごとであった。
その日『日本万国博覧会』会場では、三つの『ハプニング』が同時進行的に発生していた。震源地は太陽の塔・・・・・かの有名な万博のシンボル・タワーである。
最初のハプニングはニ六日夕方に起こった。赤軍派を名乗る赤ヘルに青い覆面姿の若い男が、警備員の制止を振り切って太陽の塔最上部、地上七十メートルに位置する『金色の顔』右目に侵入し、『万博粉砕』と叫んで籠城をはじめたのだ。大阪府警は色めきたち、百数十名の機動隊を投入して説得工作を開始した。だが男は『近づいたら飛び降りる』と頑強に抵抗、それから五月三日までの間、えんえん一週間もたてこもった。これが世に名高い『万博目玉男事件』である。
もうひとつのハプニングはニ七日の午前一〇時半に発生した。『目玉男』の噂を聞きつけた、太陽の塔制作者で『芸術は爆発だ!』の岡本太郎が、太陽の塔前にあるお祭り広場に姿を現したのである。新聞記者がワッと岡本を取り囲み、『先生、今のお気持ちを!』と質問が浴びせられた。このとき岡本は終始上機嫌で、双眼鏡で『目玉男』を覗きながら、
『イカス!』
を連発したという。
第三のハプニングが起こったのは、『爆発男』岡本が会場を去ったちょうど一時間後のことだった。ときに午前十一時四五分。機動隊・報道陣そして五万の野次馬が見守る中、現場に突然全裸の男が乱入し、太陽の塔めがけて走りはじめたのだ。
太陽の塔はそのとき、男の目には巨大なチンポに見えたのかもしれない。股間の逸物をブラブラさせ、全力疾走で巨大ペニスに挑むドン・キホーテ・・・・・。警察は蒼ざめ、五万の野次馬のうちある者は目を伏せ、ある者はヤンヤの喝采を送ったという。男は約十五メートル走ったところで機動隊に取り押えられ、逮捕された。この全裸男こそ、前衛会にこの人ありと知られた伝説のハプナー『ダダカン』その人である。
目玉男・爆発男・全裸男。三者が一堂に会したこの日は、戦後史において記念すべき日だと筆者には思えるのだが、現代史の本にこの事実は載っていない。目玉男・爆発男までは扱っていても、全裸男となると公的な記録は皆無である。(後略)」
なお海外における最近の例では↓のような記事もある。
「バルセロナで動物愛護団体が裸で『毛皮反対』の抗議活動」
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2343017/2567394
というわけで、まあ1970年代に平岡正明氏が発した「あらゆる犯罪は革命的である」なんてテーゼには同意できないにしても、少なくとも「公然わいせつ」だけは時と場合によって革命的たり得ることをひとまず銘記しておきたい。

---------------------------------
Power up the Internet with Yahoo! Toolbar.


凄い。岡本太郎はほんものの「芸術」家だ。
(kuronekoさんのとこの流れより)
>凄い。岡本太郎はほんものの「芸術」家だ。
「私が精魂込めて製作した作品を冒涜する最低の人間だ」なんてケチ臭いことを言わないところが「ほんもの」の証しですよね〜。それにしてもkuronekoさんちで岡本画伯の「芸術は爆発だ」発言を思い出した直後にこの事件。まさにグッドタイミングでした。70年代のヒッピームーブメントの頃には似たような事件がまだまだ沢山あったように思うのですが、この程度の事件で大騒ぎとは全くつまらん時代になったものですな。
ところで女子は「立派だったの?草なぎの太刀」みたいなエロ地口は言わないものなのかな。
>ところで女子は「立派だったの?草なぎの太刀」みたいなエロ地口は言わないものなのかな。
聞いた話ではTVの通行人インタビューで、「見れなくて残念」とか答えていた女性がいたそうですが、「やっぱり孫悟空(慎吾)の如意棒より草なぎの太刀ですよね〜」ぐらいのジョークが出てほしいものですな。「公然わいせつ+草なぎの太刀」で検索してみようかな。