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サブカル雑食手帳

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2009年06月21日

太宰治と森田童子

 一昨日(6月19日)は太宰治の命日(桜桃忌)だったけれども、今年は太宰治生誕100年に当たるため、東京・三鷹市の寺で行なわれた法要には例年を上回る数のファンが参加したとのこと。最近は太宰の作品を読み返すことも滅多になくなってしまったが、太宰の遺作「グッドバイ」と同じタイトルのアルバムでデビューした森田童子という女性シンガーの曲は何度聴いても飽きることがなく、今でも運転中には森田の曲をかけていることが少なくない。現役で歌っていた頃にも全くTVなどには顔を出さなかったため、表立って話題になるようなシンガーではなかったが、1993年、テレビドラマ「高校教師」の主題歌に森田の曲である「ぼくたちの失敗」が使われたことで一時は注目されたようだ。取り合えずここでは森田の名曲中の名曲「さよなら僕のともだち」を紹介しておこう。↓

http://www.youtube.com/watch?v=U-x_NVrwK1U 

 さて、太宰治といえばやはり何と言っても「人間失格」であるが、この作品の中に11世紀ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの四行詩「ルバイヤット」が実に効果的に用いられている箇所があって、ここは何度も読み返しているうちにほとんど暗誦してしまったほどである。「京橋へ来て、こういうくだらない生活を既に一年ちかく続け、自分の漫画も、子供相手の雑誌だけでなく、駅売りの粗悪で卑猥(ひわい)な雑誌などにも載るようになり、自分は、上司幾太(情死、生きた)という、ふざけ切った匿名で、汚いはだかの絵など画き、それにたいていルバイヤットの詩句を插入(そうにゅう)しました。」という文章に続く、オマル・ハイヤーム「ルバイヤット」の詩句は以下の通り。

無駄な御祈りなんか止(よ)せったら
涙を誘うものなんか かなぐりすてろ
まア一杯いこう 好いことばかり思出して
よけいな心づかいなんか忘れっちまいな

不安や恐怖もて人を脅やかす奴輩(やから)は
自(みずから)の作りし大それた罪に怯(おび)え
死にしものの復讐(ふくしゅう)に備えんと
自(みずから)の頭にたえず計いを為(な)す

よべ 酒充ちて我ハートは喜びに充ち
けさ さめて只(ただ)に荒涼
いぶかし 一夜(ひとよ)さの中
様変りたる此(この)気分よ

祟(たた)りなんて思うこと止(や)めてくれ
遠くから響く太鼓のように
何がなしそいつは不安だ
屁(へ)ひったこと迄(まで)一々罪に勘定されたら助からんわい

正義は人生の指針たりとや?
さらば血に塗られたる戦場に
暗殺者の切尖(きっさき)に
何の正義か宿れるや?

いずこに指導原理ありや?
いかなる叡智(えいち)の光ありや?
美(うる)わしくも怖(おそろ)しきは浮世なれ
かよわき人の子は背負切れぬ荷をば負わされ

どうにもできない情慾の種子を植えつけられた許(ばか)りに
善だ悪だ罪だ罰だと呪(のろ)わるるばかり
どうにもできない只まごつくばかり
抑え摧(くだ)く力も意志も授けられぬ許りに

どこをどう彷徨(うろつき)まわってたんだい
ナニ批判 検討 再認識?
ヘッ 空(むな)しき夢を ありもしない幻を
エヘッ 酒を忘れたんで みんな虚仮(こけ)の思案さ

どうだ 此涯(はて)もない大空を御覧よ
この中にポッチリ浮んだ点じゃい
この地球が何んで自転するのか分るもんか
自転 公転 反転も勝手ですわい

至る処(ところ)に 至高の力を感じ
あらゆる国にあらゆる民族に
同一の人間性を発見する
我は異端者なりとかや

みんな聖経をよみ違えてんのよ
でなきゃ常識も智慧(ちえ)もないのよ
生身(いきみ)の喜びを禁じたり 酒を止めたり
いいわ ムスタッファ わたしそんなの 大嫌い



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posted by 下等遊民 at 09:51| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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