「『噂の真相』を創刊して1年ほどたった頃、筆者は右翼団体からの総攻撃を受けた。この右翼団体による抗議活動は、筆者が『噂の真相』編集長を25年間務めた中でも、最も雑誌と会社の存続が危ぶまれる大きな抗議・トラブルだった。『噂の真相』は創刊以来、日本における最大のタブーのひとつだった天皇制批判や皇室の内幕にも取り組む編集方針だったため、80年6月号で『天皇Xデイに復刻が取沙汰される皇室ポルノの歴史的評価』という記事を掲載したことが発端だった。
70年代に入って政治の季節が終わり、言論じたいが下火となった時代背景の下で左翼インテリやアナーキストたちの鬱屈が地下出版物の形となって出回っていた時代だった。その代表格が筆名・奥月宴だったのだが、そんなアングラで出回っていた小部数、小冊子の中で皇室を風刺したポルノ小説が話題になっていた。
『噂の真相』はその皇室風刺ポルノ小説を入手し、それを紹介した記事を掲載したのだ。これに対し怒り心頭となった在京の右翼団体は総力をあげて威嚇的抗議行動を大々的に展開した。」
さてこのミステリアスな匿名作家・奥月宴氏の正体についてはこれまで様々な揣摩臆測がなされ、現在では故・竹中労氏ではないかとの見方が有力らしいが、ここではその正体についてあれこれ詮索するのはやめておこう。ただあの時代に同じく謎の作者によるアングラ小説として騒がれた沼正三氏の「家畜人ヤプー」がその後も匿名性を維持したまま何度もリニューアルを重ね現在に至るまで絶大な人気を博している事を思うと、奥月宴氏の「天皇裕仁と作家三島由紀夫の幸福な死」や「天皇裕
仁は二度死ぬ」といった作品が久しく文学史の闇に葬られたままになっているのは、やはり残念なことと言わねばならないだろう。奥月氏自身、自分の作品を誰が複製・出版しようとも著作権については全く問題にしない旨をはっきり宣言していることでもあり、今、奥月氏の作品を公開することは1970年代というカオス(混沌)の時代を検証する意味でも有意義なことではないだろうか。そんな思いを込めながら、次回は奥月宴氏によるアングラ不敬小説の第一弾とも言うべき「天皇裕仁と作家三島由紀夫の幸福な死」を原文のまま紹介することにしたい。この作品が、三島自決の直前に書かれたものであるという点も興味深い。
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奥月宴、興味深い作家なのですね。
「家畜人ヤプー」の内容を含む記事をTBさせていただきます。
私の知らない作家の理解が深まりましたと言いたいところですが、正直に言いますとよくわかりません^_^;
私の判断基準はその本が面白いかどうかにすぎないので、難しいことはわかりかねます・・・すみません(´・ω・`)ショボーン