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サブカル雑食手帳

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2007年03月21日

ビッグバン宇宙論から女子トイレ盗撮映像まで

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 ゴキブリ目線・・・・・天井カメラなどの、人間目線では不可能な映像を観ることで、ゴキブリ並のレベルに堕した覗き屋の下劣さ・醜さを自覚賞味し自虐的快感に浸る姿勢。(三浦俊彦著「のぞき学原論」所収「覗き学のキーワード」より)

 一ヶ月ほど前に購入した「のぞき学原論」(三浦俊彦著 三五館)という分厚い本をやっとこさ読了した。三浦俊彦氏が書かれた論文は既に月刊誌「現代思想」(青土社)で目にしたことがあり、まあこの時はあまりの難解さに歯が立たず、中途で投げ出してしまったのだが、「のぞき学原論」の方はテーマの面白さもあってか、なんとか最後まで読み通すことができた。この本で展開される「覗き学」の講議では「宇宙も、生物も、文化も『覗き』の産物」とした上で、まずビッグバン宇宙論やダーウィン進化論が取り上げられるが、この第1章は難解過ぎるため、あっさりスルー。これは自らの頭の悪さを直視して暗澹たる気分に襲われないための防御策でもある。第2章では日本文学に登場する様々な型の覗き趣味が「陰翳」というキーワードを手掛かりに分析され、ある意味で谷崎潤一郎
の日本文化論「陰翳礼讃」を更に深化させた形になっている。そしていよいよ第3章からが「覗き学」講議のクライマックスだ。夥しい数のトイレ盗撮ビデオが次から次とジャケットの写真とともに紹介され、その一作一作にあらゆる角度(?)からの哲学的分析が施される。とりわけ興味深く感じたのは、文学的覗きと現実の覗きとの落差であり、これについて著者は次のように分析している。

 「第2章で見た文学的覗きには、特定のターゲットに向かうストーカー的覗きが多々見られたことを思い出そう。現実にはむしろ、男の覗きの大多数はコレクター的覗きだ。ポルノ産業の中でもとくに盗撮は、『通りすがり性』が濃厚であり、観賞者としての需要は完全に男が占める。男の性は匿
名性に惹きつけられる。有名人やヒーローに惹かれやすい女と違って、男の欲望が『平凡な女』にこそ萌えるようにできていることは、タイトルに『隣のお姉さん』『OL』『人妻』『雑居ビル』といった平凡・卑近な人物像を仄めかしたポルノが売れ筋を占めていることからもわかる。盗撮ビデオとなると、顔も定かでない行きずり女が次々登場するその「平凡さ」がもろ眼目となろう。」

 確かに性衝動の男女における非対称性は、ビデオレンタルショップの盗撮コーナーに並べられたトイレ盗撮ビデオが完全に女子トイレ盗撮ビデオに限られており、男子トイレ盗撮ビデオなるものが皆無なのを見ただけでも一目瞭然であろう。「のぞき学原論」は女子トイレ盗撮映像という性メディアの中でも極めて特異なジャンルにスポットを当ててはいるものの、著者の姿勢にいわゆるキワモノ狙い的な要素が微塵もない事は、例えば、第4章「覗きの技法 盗撮ビデオの現在」に付された
次のような注釈の中にも看取されよう。

「瑣末な要素をあえて主題化して『中心・周縁』ニ項対立の硬直を打破するのが、ポストモダニズムとくにデリダ式脱構築の流儀だった。ここで私は脱構築に倣おうというのではない。瑣末に見えたことが実は重要だった、と指摘したいだけだ。本当に瑣末にすぎぬ事柄をあえて注視するのが『覗き』だと安易に誤解せぬよう。私は分析哲学者として、本質と瑣末の格差はつねに重んじ、本質を優先して論じてゆくつもりである。」

 尚、下にリストアップした作品は、「のぞき学原論」で哲学的考察の対象として選ばれた女子トイレ盗撮ビデオの中のほんの一部である。(カッコ内はレーベル名)
  
 東大女子トイレ盗撮(赤門出版社)

 変態女子和式便所 醜女・豚・豊満女の脱糞放尿アンネ(なにわ書店)

 便器の中はウンコの山(ブブカ)

 ボットン便所 便壷内侵入手撮り盗撮(ウイルス)

 実録 醜態便所(ジェイド)

 激撮 まる見えうんこ便所(ジェイド)

 行列している女子トイレ(トロイ)

 OLトイレ(ウインク)

 女子高生超うんこ(ジェイド)

 うんこてんこもり 完全版(ジェイド)

 究極!鮮烈の汲み取り便所(盗幻鏡)

 激臭うんこ便所(ユニバース映像)

 ビーチ・トイレ・マルチビジョン(秘宝感)

 糞尿浴(パンドラ)

 昼下がり 死角の女便所(宝船映像)

 病棟隠撮 新人看護婦和式トイレ(ジェイド)

 隠撮 麗しのマダム和式便所(シャリラ)

 熟女失禁便所(GRAND)

 有名女子大学合宿女子便所(マジカル)

 ウンコとタンポンの大特集(アーク)

 隙間の神秘 下から丸見え隣の個室(ファインダー)

 レースクイーンズトイレ(ジパング)

 消費者金融受付OL嬢オールうんこ便所30人(ハイパー)
 


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posted by 下等遊民 at 13:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あれだけの大風呂敷をひろげられるからこそ、大学の先生なんでしょうね。2章まで感動して読んだのですが、この本の花の部分で挫折してしまいました。植草先生なんかの読後の感想をぜひ聞いてみたいところですよね。植草先生の感性の方が近いものがあります。

Posted by よしろう at 2007年04月20日 00:23
 >よしろう様
 
 お越し頂きましてありがとうございます。
私の場合、第1章はあまりに難解でとてもついていけませんでした。第3章以下はどう考えても筋金入りの盗撮ビデオマニアでなければ書けない文章だと思うのですが、三浦俊彦氏は和洋女子大学教授ということなので、この本についての女子大生の反応なども興味津々といったところです。
 哲学者で電気通信大学教授の中島義道氏が、新入生の面接試験を担当したさい、「大学に入ってまずやりたいことは何か」という質問に対して、全員が判で押したように型通りのことしか言わないことに落胆、たまには女子トイレに隠しカメラを仕掛けてみたいとか、AVに出てみたいとかいう人間がいても良さそうなもんではないかといったような事を以前雑誌に書いていましたが、どうも哲学畑の大学教授には変わり者が多いようですね(笑)。
Posted by 下等遊民 at 2007年04月20日 22:23
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