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サブカル雑食手帳

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2007年05月02日

平和憲法よ、不滅なれ!

 「平和憲法についての文章を書いたとき、私の意図したこと
は、単にありえたはずの歴史を考えるという不毛の郷愁にふけ
ることではなかった。この憲法には今日でもなお行動の原則と
なりうる原則を含んでいると考えたからこそ、これを書いたの
だ。」(C・ダグラス・ラミス著「ラディカルな日本国憲法」
あとがきより)

 敗戦直後の1946年、米軍による日本占領という混沌とし
た状況の下で現行憲法が明治以来の欽定憲法に取って替わる形
で産声を上げた。新憲法の草案作りを担当したのは、マッカー
サーの指示を受けたコートニー・ホイットニーGHQ民政局長
であり、ホイットニーはすぐに「憲法制定会議」を設置、驚く
べきことにこの草案作りに要した日時は、1946年2月4日
から10日に至る、わずか7日間であった。
 こうした経緯もあって、現憲法はしばしば「改憲」派からは
「押しつけ憲法」あるいは「占領憲法」などと呼ばれるわけだ
けれども、さて仮にこの押しつけがなかったとしたらどうであ
ったか。実は、GHQ民政局による草案作りに先立つ1946
年2月1日、日本政府による新憲法案なるものが毎日新聞にス
クープされていたのである。そしてそれはまさに「一体どこが
新憲法なの?」と首を傾げたくなるほど旧態依然たる内容のも
のであった。例えば旧憲法の第三条「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘ
カラス」がどう変えられたかというと、「天皇は至尊にして侵
すべからず」(爆)という具合。要するに「これじゃ話になら
ん」ということで、マッカーサーがコートニー・ホイットニー
に草案作りを命じたというのが事の真相。
 ベアテ・シロタ・ゴードン。カリフォルニア大学を卒業した、
当時22歳のこの女性が新憲法の草案作りにおいて果たした重
要な役割はいくら強調しても強調し過ぎることはないだろう。
 日本国憲法第ニ四条「婚姻と家族生活における個人の尊厳お
よび両性の本質的平等」には次のように記されている。
 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権
利を有することを基本として、相互の協力により、維持されな
ければならない。」
 男尊女卑の風潮が抜き難く存在する日本の風土にあって、こ
の22歳の女性が新憲法に残したこの一条が後の女性解放運動
に及ぼした影響は量り知れないものがあろう。
 さらにGHQによって「押しつけられた」ものは新憲法のみ
にあらず。治安維持法と特高警察の廃止、政治犯即時釈放、天
皇批判の自由etc。こういった当たり前の措置も当時の東久
邇内閣は実施不可能として総辞職。次の幣原内閣に代わってやっ
とGHQ指令を実施に移すという体たらくだった。
 ざっとこうした経緯を眺めただけでも、現憲法を「押しつけ
憲法」だの「占領憲法」だのという理由で貶めることがいかに
不当であるかが分かろうというものである。「改正」などとい
う名目で、「角(つの)を矯めて牛を殺す」ような愚は現憲法
に関して絶対に犯してはならないと思う。
 最後に憲法学者・小林直樹氏の文章から少し引用。

 「現行憲法の真の執筆者はジョン・ロックやルソーやモンテ
スキュー、或いはジェファーソンやリンカーン等を含んだ歴史
という巨大な人間・・・・・司令部の起草者たちは、そのささ
やかな媒介者にすぎない。」(「憲法の構成原理」より)



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posted by 下等遊民 at 22:14| Comment(1) | TrackBack(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
TBありがとうございます。
こちらからのTBは通らないようです?
今後とも宜しくお願い致します。
Posted by makuri at 2007年05月04日 20:41
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