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サブカル雑食手帳

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2015年04月25日

女性誌「an an」と吉本・埴谷論争

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 フェチ的執念とは恐ろしいもので、「an an」という女性誌にはこれまでまったく目をくれることなどなかったにもかかわらず、近所のコンビニの週刊誌置き場で、「an an」最新号の表紙に「美尻」の文字があることをすぐさま発見。「やはり老舗のファッション誌としては、最近の『美尻ブーム』なるものを看過するわけにはいかなかったんだろうな」などとどうでもいいことを考えているうち、フト、30年以上前にこの女性誌がもとで、吉本・埴谷論争なるものが勃発したことを思い出した。「an an」1984年9月21日号に、思想界の巨人(?)吉本隆明氏(故人)がコム・デ・ギャルソンを着て登場したことに対し、もう一方の思想界の巨人(?)埴谷雄高氏(故人)が、「『ぶったくり商品』のCM画像に、『現代思想界をリードする吉本隆明』がなってくれることに、吾国の高度資本主義は、まことに『後光』が射す思いを懐いたことでしょう」と猛批判したのが論争の始まりだった。これに対し、吉本氏は、「『アンアン』という雑誌は、先進資本主義国である日本の中学や高校出のOLを読者対象として、その消費生活のファッション便覧の役割をもつ愉しい雑誌です。総じて消費生活用の雑誌は生産の観点と逆に読まれなくてはなりませんが、この雑誌の読み方は、貴方の侮蔑をこめた反感と逆さまでなければなりません。先進資本主義国日本の中級ないし下級の女子賃労働者は、こんなファッション便覧に眼くばりするような消費生活をもてるほど、豊かになったのか、というように読まれるべきです。」(『重層的な非決定へ』より)と反論。その後の論争の行方についてはよくわからないのだが、「an an」最新号の表紙を見る限り、この時の吉本氏の「an an」礼賛はけっこう的を射ていたといえるのかも知れない。
posted by 下等遊民 at 00:15| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いま、雑誌離れが著しいといいますから
>中級ないし下級の女子賃労働者
は 「an an」 読む余裕はないんじゃないかしらん。

当時も「下級の賃労働者」が読んでいたかどうか……。ちょっと張ったり気味の言い方に思えます。
Posted by kuroneko at 2015年04月29日 15:37
 >kuroneko様

 >当時も「下級の賃労働者」が読んでいたかどうか……。ちょっと張ったり気味の言い方に思えます。

 そもそも吉本氏のこの反論文が掲載された本のタイトル(「重層的な非決定へ」)からしてどえらく大風呂敷なものを感じさせてくれますからね〜。まあ大風呂敷という点では、論敵の埴谷氏が盛んに持ち回っていた「自同律の不快」なんて言葉も中々のもんだとは思いましたが(もっと簡単に「自己嫌悪」とか言ってしまったほうがはるかに理解しやすいのにわざわざ難解な物言いをするところは吉本氏とどっこいどっこいのような)。ただ、一方がDCブランドの服を着て女性向けファッション誌に出たという、まったくどうでもいいような出来事をめぐって老思想家二人が互いを「馬鹿」「ド阿呆」呼ばわりするレベルまで論争(?)を激化させてしまったこと自体は「史上最低の珍論争 」として、面白さの点では高く評価されるべきかも知れませんな。
Posted by 下等遊民 at 2015年04月29日 20:08
懐かしいとしか言いようがない論争ですが、吉本は平行して少女マンガだの芸能界だのもかたっぱしから語り始めましたから、まあ彼のサブカル志向は埴谷の対極を向いていて、それは埴谷にとって腹立たしいものだったろうと思います〜

そんなことよりも古くからの読者としては、当時と比べて今の女子賃労働者たちはことごとくスタイルが向上し、かつては甲田益也子だから似合った服を今は普通に着こなしているという現実に鑑み、消費生活の恐るべくもありがたい(笑)功罪に感謝しております〜
Posted by ギロでございます〜 at 2015年04月30日 11:41
 >ギロ様

 >まあ彼のサブカル志向は埴谷の対極を向いていて、それは埴谷にとって腹立たしいものだったろうと思います〜

 なるほど。だとすれば、吉本氏の「an an」コム・デ・ギャルソン・デビュー(?)の一件が、突如、埴谷氏を怒らせたというより、その背後には、高度(=消費)資本主義の繁栄の中に、大衆解放の契機を求めんとする吉本氏に対する埴谷氏の積もり積もった憤懣がこの一件を機に一挙に爆発したと見るのが妥当なのかも知れませんが、ただ、困ったことにこれだと、コム・デ・ギャルソンのスーツに身を包んだ吉本氏が、それなりにサマになっていることを埴谷氏が認めているようにも読めてしまうんですよね。もしこれがまったく似合っていなければ、そもそも「ぶったくり商品」のCM画像にすらなり得ないわけですから。サブカル指向について言えば、吉本氏の場合、優れた論評と言えるものはほとんどこの領域に集中していると言ってもいいんじゃないでしょうかね(少なくとも「原発」問題なんかは論じないほうが賢明だった)。中でも、つげ義春の無能マンガにエロチシズムの極致を見て取った、新潮文庫版「無能の人・日の戯れ」の解説は何度読み返しても飽きないほど気に入っております。↓

http://yakenn2002.seesaa.net/article/258971003.html

 >消費生活の恐るべくもありがたい(笑)功罪に感謝しております〜

 とりわけ、「美尻ブーム」なんてものは「功」の最たるものと見做してよろしいんじゃないかと。
Posted by 下等遊民 at 2015年04月30日 21:33
美尻エントリーを選んでご注進。

セクシー美女のお尻をスローモーションで楽しむ企画がエロ素晴らしすぎる!【動画】

http://news.ameba.jp/20150624-1066/
Posted by kuroneko at 2015年06月25日 00:14
 >kuroneko様

 エロ素晴らしすぎる動画の紹介、ありがとうござます。
 この動画、「スローモーションで楽しむ」というところにお尻への執着がはっきりと感じられますな。

 >企画者は、これを撮るために超高価(つまり超高画質)なカメラをレンタルしたという。お金の使い方を完全に間違った、まさに男の中 の男である。

 金のある奴がこういう金の使い方をすることについては、かのピケティ氏も大いに賛成するところではないでしょうかね。さすがアメーバニュース!
Posted by 下等遊民 at 2015年06月25日 14:57
美尻エントリーはやっぱりここですね。

わるならハイサワーってCMで、美尻カレンダー
ってのがあったので、ネタにしにきました。

http://www.hakusui-sha.co.jp/

これ貼ってある飲み屋さんって見たことあったっけ。
やっぱり自宅で眺めながら、一人でハイサワーですかね。

知り人がいずにうち呑みハイサワー 見知らぬ美女の尻を眺めて
Posted by kuroneko at 2015年12月18日 13:33
 >kuroneko様

 >知り人がいずにうち呑みハイサワー 見知らぬ美女の尻を眺めて

 これぞ風流のきわみというべきですな!それにしてもなぜハイサワーの博水社が美尻カレンダーを出すに到ったのか、その理由を調べてみたところ、あのマニアックなオープニングで知られるタモリ倶楽部が博水社を訪れたことがそもそものきっかけだったらしいですね〜。ただこのオープニングがタモリの趣味を反映したものだとするとタモリの好みは巨尻ではなく小尻ではないかと思うんですけどね。↓
https://www.youtube.com/watch?v=OY0v87ANBmo
Posted by 下等遊民 at 2015年12月18日 22:30
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