「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。
熱海湾に面した沿道は白昼の激しい陽射しの名残りを夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。」
まず「甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」という文章がどこかギクシャクしていてすわりが悪いように感じるので、いっそ「重なり響いていた。」を省いて、「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音。」で切ってしまった方がはるかにすっきりするような気がするんですけどね。こうしても文意は十分伝わるのではないかと。さらに引っかかるのが、「白昼の激しい陽射しの名残りを夜気で溶かし、」の「溶かし」という言葉である。「夜気で」ときたら、ここはやはり「冷まし」とする方がイメージが湧きやすいのではないかと。そして最後の「浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。」のところは、「草履に踏ませながら」を削って、「浴衣姿の男女や家族連れで賑わっている。」 としてしまってもまったく文意は変わらないと思うのですが、さてどんなもんでしょうか。
まあ俳句ではないけど、プレバトバトルの俳句の先生に見せてみたいです(笑)
>なんかごちゃごちゃしてて、
まあ文学作品の場合、新聞記事みたいに簡潔で無駄がなく、読み易い文章ばかりでもこれまた作家の個性が感じられず、読者に退屈な印象を与えてしまうってこともあるのかも知れませんが、では修飾過多でまわりくどい文章が即、味わい深い文章かと言えば決してそんなことはないと思うんですけどね。↑の例で言えば、「草履に踏ませながら」があってもなくてもさほど文章の味わいは変わらないと思うんですが、もしかするとここも「文学通」にとっては非常に大事な部分なのかも。
>プレバトバトルの俳句の先生に見せてみたい
これは面白そうですね。「火花」をネタに、俳句の先生がツッコミ、又吉氏がボケで漫才をやったら大いに受けるんじゃないかと。
この小説、全文は読んでいませんが、先月の中央公論で、確か山場の(平場だったかも?)のひとつ、先輩芸人?だかが主人公に芸の道?だかを教えようとする場面を佐藤優氏が引用していたので読みました。どこか力説調でクドクドしていて、アタマにスッと入りませんでした。
わたしには、海棠ナントカ氏や百田ナントカ氏みたいな平明単調な文章も楽しめないんですが、こういう「白昼の激しい陽射しの名残り」と来られるよりは「昼日中に差した陽光の温気」と書きたい気がします〜・・
>「沿道」は尻じゃないだろ
「草履に踏ませながら」は、太宰というより谷崎だろ、ってツッコミもありなんじゃないですかね。
>どこか力説調でクドクドしていて、アタマにスッと入りませんでした。
それを聞いて少し安心しました。この先輩芸人が主人公に向かって披瀝する「お笑い」論(?)が理解できんのはスカトロ系DVDの見過ぎで完全に脳細胞がやられてしまったせいではないかと心配していたもので・・・・・。「笑いの哲学」に関しては、昔読んだベルクソンの「笑い」(岩波文庫)の方がはるかに理解しやすかったような気がします。
>「昼日中に差した陽光の温気」
なるほど〜。確かに「夜気で〜」というフレーズを後に持ってくるんだったら、こちらの方がピッタリくる感じがしますね。
余談ですが、芥川賞受賞会見の際に又吉氏が発した「芥川って絶対、僕みたいな髪型の男嫌いやと思うんですね」というセリフには思わず笑ってしまいました。このあたりはさすが芸人といったところですな。
いや仰るとおりですね(笑)太宰もどちらかというと踏まれたい派だったかもしれないですが谷崎のお尻はどこか柳腰?でぽっちゃりしてそうです・・
>芥川って絶対、僕みたいな髪型の男嫌いや
龍ちゃんの髪型も結構お笑い系だったような・・
手前みそながら、数年前、文体という点では読み手の発狂??を誘うようなメタ文体でサブカルアングラネタ小説を書きました。タイトル「ジョーゼッツ・ベッロリンチォの思想と行動」というもので、アマゾンなら今でも10円くらいで紙屑同然に売っています(笑)
よろしかったらお試しください〜
(商品ページのurlが長すぎてリンクに入りませんでした・・・・)
>太宰もどちらかというと踏まれたい派
総じて純文学作家にはこのタイプが多いのかも知れませんね。沼正三氏も「ある夢想家の手帖から」の中で、戦前、様々な女性達からさんざんひどい目に合わされたきた老詩人が、戦後になって男女同権の世の中にになってくれたおかげで、これからは女性に遠慮することなく生きていくことができ、めでたし、めでたし、といった趣旨の講演をする「男女同権」という太宰の風刺小説を一種のマゾ小説として読んでも面白い作品であると絶賛していましたしね。
>数年前、文体という点では読み手の発狂??を誘うようなメタ文体でサブカルアングラネタ小説を書きました。
いや〜これは面白そうですね!是非とも読んでみたいと思います。奇書、珍本の類いには目がないんで・・・・・。
なにげにamazonレビュー見てみたら、すんごい酷評。
2ちゃんググッてみたら、こんなのありました。
http://rabitsokuhou.2chblog.jp/archives/68371199.html
やはり最初の文見ただけで、こりゃ最期まで読むの苦痛だわ、と思ってしまいますね〜
>次回のプレバトに又吉出るらしいです
へ〜これは面白そう。それにしてもなんか瓢箪から駒みたいな話ですよね。
>amazonレビュー
これはまあ物凄い数の罵詈雑言レビューが居並ぶ百田某の「殉愛」や元少年Aの「絶歌」に比べれば、まだやわらかい方と言えるかも知れませんが、たとえ芥川賞受賞作であってもまったくお構いなしにバンバン酷評レビューを載せてしまうところはさすがamazonというべきかも。
>2ちゃんググッてみたら
なんかすごい盛り上がりようですね〜。中にはプロの批評家よりもはるかに的を射たコメントもあって結構楽しめました。
バタバタしていてレス遅くなってしまいました<(_ _)>