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サブカル雑食手帳

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2016年12月30日

今年おもろかった本

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このところ、ますます怠け癖が昂進してしまい、本も読まず、ブログの更新もせず、「ただ一切は過ぎていきます」的日々をだらだらと過ごしているというのが正直なところであるが、それでも年末にあたって「今年おもろかった本」としてどうしても取り上げておきたかったのが以下の3冊(少な!)なのであります。

まず一冊目として取り上げたいのは、樋口ヒロユキ著「ソドムの百二十冊 -エロティシズムの図書館」(青土社)。マルキ・ド・サドの怪作「ソドムの百二十日」にあやかっているのはタイトルのみにあらず。「闇夜に羽ばたく書物たち」と題された「序章」もまた「ソドムの百二十日」のそれにあやかったスタイルで書かれているところが面白い。「この書物を手にとった読者諸氏よ、ようこそおいでくださった。ここは真夜中の図書館である。昼間はぴたりと門を閉ざしているが、時計の針が十二時を回ると三々五々人が集まり、禁断の書物たちがページの襞をわななかせる、目には見えない図書館なのだ。」といった具合に。ちなみにこの図書館には、遊郭が一つ丸ごと併設されているそうな。

二冊目は、亀和田武著「60年代ポップ少年」(小学館)。私にとって、亀和田武氏といえば、70年代後半のエロ劇画ブームの頃、「劇画アリス」編集長として活躍していた人といったイメージしかなかったのであるが、この本では氏の少年時代から学生時代にかけての60年代サブカルチャーが、坂本九「悲しき60歳」、弘田三枝子「ヴァケーション」、中尾ミエ「可愛いベイビー」、飯田久彦「ルイジアナ・マ マ」といった和製ポップスからジャズ喫茶、吉本隆明、学生運動(亀和田氏は「フロント」というセクトに所属していたようだが)まで盛り沢山に取り上げられているのが興味深い。「反戦高協」のヘルメットをかぶった表紙絵の美少女も「時代」を感じさせてくれる。

三冊目は、元・外務省主任分析官の佐藤優氏と女性向けアダルトショップを経営する最先鋒フェミニスト・北原みのり氏の対談本「性と国家」(河出書房新社)。まず「週刊金曜日」のコラムなんかでは常々、世の「オヤジ」連中を目の敵にしている北原みのり氏が、一見マッチョな「オヤジ」の典型みたいな佐藤優氏を対談の相手にしているところからして面白そうな本だと思ったが、読んでみると、この二人の間に意見の対立といったものはほとんど見られず、終始一貫して意気投合(というか、フェミニズムについて、佐藤氏が北原氏の生徒として北原氏の意見を仰ぐといった感じもするが)しているところが意外といえば意外であった。二人の共通点はかつて逮捕という形で国家権力の暴力性を身をもって体験しているところであるが、北原氏の攻撃の矛先は単に権力側にいる男達だけではなく、「反権力」を標榜する男達にも容赦なく向けられているのである。ちなみに、大正時代のアナキスト・大杉栄が自叙伝の中で猫を殺した話を書いていたことで、北原氏、佐藤氏ともに大杉のことをゲス呼ばわりしていたが、おかげで当方まですっかり大杉栄のことが嫌いになってしまったようだ。

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posted by 下等遊民 at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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