ドブネズミみたいな背広着て
趣味の悪いネクタイしめて
虫も殺せん顔をして
ウチのうしろでコソコソと
おっさん何するんや
ウチのどこさわっているんや
最近、新聞の三面記事を眺めていると、教師や警察官や官
僚など所謂公務員による痴漢事件がやたらと目につくが、これ
は果たしてこういう職種の連中に特別こういう行為を好む者が
多いのか、それともこういう職種の者が痴漢で捕まると俄然ジ
ャーナリズムが色めき立つため、そういう印象を受けてしまう
だけなのかはよくわからない。いずれにしてもアメリカなどと
比較すると、レイプなどは圧倒的にアメリカの方が多いのに対
して、痴漢が圧倒的に目立つのが日本の性犯罪の特徴であるら
しく、岸田秀氏などはこの現象を、「特に戦後日本人の気が弱
くて自信がなくてビクついていて、それでも身勝手にいつの間
にかやりたいことはやってしまう性格」が性犯罪の形にも反映
したものと看做している。(「日本文化としての痴漢」月刊
「現代」2002年7月号)
まあ一見弱気を装いつつ、図々しくやりたいことをやってし
まうという点では政府与党の政治スタイルも痴漢に劣らず日本
文化の一面を反映したものと言えるかも知れない。
というわけで、今回取り上げるのは痴漢撃退の歌「おっさん
何するんや」。関西ブルースブームの真っ只中の1978年、
当時20歳のお姉ちゃんだった野毛洋子(バンド名「ヨーコぶ
るーすばんど」)がデビュー曲として出した曲であり、冒頭に
掲げたのはその歌詞の一部である。歌詞を見ればわかるように
これは痴漢撃退というよりはむしろ痴漢を嘲弄した歌といっ
た方がいいかも知れない。因みにこの曲が出た直後には、この
曲をBGMとして効果的に使用したピンク映画が作られたりも
した。(「痴漢各駅停車・おっさん何するんや」稲尾実監督・
新東宝)
実は現在、この曲をもう一度聴いてみたい一心でCD化され
てないか調べてみたところ、残念ながらこれまで一度もCD化
された形跡がないようである。最近、CDショップではこの当
時の関西ブルース/ソウルなどの類いが続々とCD化され並ん
でいるにもかかわらず、現在もシカゴでジャズシンガーとして
活躍中の野毛洋子のCDが全く見当たらないのは一体どういう
わけなのであろうか。
さて女性シンガーの曲が出たついでにもう一曲、この当時ネ
オン街でよく耳にした女性シンガーの曲「カモネギ音頭」を取
り上げておこう。こちらは痴漢ではなくて、銀座ネオン街に足
を運ぶ客たちを徹底的に嘲弄した歌で、60年代に平野レミが
歌っていたものを70年代に中川レオが歌って再ヒットさせた
もの。作詩者はヒットメーカーの吉岡治であるが、銀座を題材
にした昭和歌謡は数あれど、ここまで銀座の客を愚弄した歌は
ちょっと見当たらないのではなかろうか。1番の歌詞は以下の
通りである。
カモネギ音頭(歌・中川レオ)
銀座八丁 ネオンがともりゃ
客が来る来る ミニクラブ ミニクラブ
鼻下五センチ ドバッと伸ばして
カモがネギしょって やって来るやって来る
ジャンジャン飲ませろ 酔わせて放り出せ
カモネギ音頭でガバチョのパ〜
もう一つおまけだ ガパチョのパ〜
カモネギ カモネギ カモネギ音頭だよ
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