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サブカル雑食手帳

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2005年09月14日

皇居と糞尿と大嘗祭

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前回では古典的エロチック文学に描かれた「甘美なる糞尿」の諸例を紹介したが、今回は政治闘争の手段として大量の糞尿が使われたケースをここに紹介しておきたい。
 1990年11月21日、明仁天皇の即位儀式・大嘗祭を翌日に控えた皇居前に、バキュームカーで乗りつけ、大量の糞尿を撒き散らした新左翼系政治セクトがあった。セクトの名称は「戦旗共産同」。現在は市民運動団体として環境問題などに力を入れているが、かつては、アメリカ大使館に火炎弾をぶち込んだり、成田空港建設に反対し、工事用車両を何十台も焼き払うなど、バリバリの超過激極左組織であった。今月7日に自殺してしまった作家の見沢知廉氏も右翼に転向(?)する前は「戦旗共産同」の活動家だったらしい。(新日本文学賞受賞作「天皇ごっこ」はその当時のことが題材となっている。謹んで見沢氏の御冥福をお祈りします。)
 この「戦旗共産同」の活動家たちが、まだ過激な活動を展開していた頃の思い出をそれぞれ綴った「ぱるちざん戦記」(実践社)という本がある。その中で、「皇居糞尿決起」で逮捕された川添達雄という活動家がこの事件の思い出を詳細に記録していてこれがなかなか面白い。(「私がふん尿にまみれた日」)以下、原文から少し引用しておこう。

 「『修学旅行の高校生がいっぱい来てるなあ』
  『いっちょやったりますか。見てろよ、今一生の思い出 をつくってやるから』
1990年11月21日、皇居二重橋前に向かうバキュームカーの運転席での会話だ。まもなく汚物を満載した車は、最終目的地に到着する。明仁天皇の即位儀式・大嘗祭を翌日に控えた皇居前に乗りつけ、大量の糞尿をまき散らしてあげるのだ。タンクの中には、この日のために準備されたとれたてホヤホヤのウンコが出番を待っている。(中略)この日地方から出てきているとおぼしき中高生たちも、警官だらけの皇居の前をつまらなそうに歩いている。そこにぼくらがさっそうと(?)登場し
て糞尿ゲリラを行うのはさぞ見物だろう。目の前で『過激派』2名が逮捕される捕り物劇が行われれば、彼らにとってもせっかく皇居に来た甲斐があるというものだ。(中略)
 見ると、駆けつけたお巡りたちはバキュームカーの周りで立ち止まり、こちらの様子をうかがっている。とっさのことに判断がつかず、他の警官と顔を見合わせて遠巻きに見守っているのだ。なんて卑劣な奴らだ。目の前で『過激派』が暴れているというのに逮捕しにこないとは。もしかしたら、汚れ役は他の警官にやらせようとしているのかも知れない。よし、お前らが来ないならこっちから行くまでだ。ぼくはバケツをうんこで満たすと、一番近くにいた警官めがけてバシャリとやった。(中略)
 東拘(東京拘置所)に移ってしばらくすると、『皇居と糞尿と大嘗祭』と題する怪しげなパンフレットが送られて来た。『ふん激戦士を支える会』なるものの発行で、市民運動家の田中等さんが描いた巨大なウンコのイラストが表紙をデカデカと飾っている。そうか、いつの間にか俺も『支える会』が発足する身分になったのかとにやけながら中身を見ると、天皇を最初に糞尿で攻撃したのはスサノヲノミコトであるとか、新嘗の夜天皇はニニギノミコトとセックスをしているとか、いろんな人
がいろんなことを好き勝手に論じている。もちろんまじめに政教分離や昭和天皇の戦争責任を書いている人もいる。そうだとすればこちらも裁判にかこつけて、天皇制に対する民衆の有象無象の思いすべてを法廷に持ち込んでやると密かに決意した。
 『民衆の側から天皇制を裁く』と称する裁判は、こうして始まった。」

posted by 下等遊民 at 22:36| Comment(3) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よしまるさーちと申します。
管理人日記「徒然日記」
http://yosimaru.blog6.fc2.com/
にトラバ頂戴しました。

ありがとうございました。
格調高く専門的なご研究恐れ入ります。
お役立ちするかどうか判りませんが
アダルサイトのサーチです。
http://www.yoshi-maru.com/
騙しリンクや詐欺など全くございません。
ご利用いただければ幸甚です。

又、訪問させていただきます。
Posted by よしまるさーち at 2005年09月17日 22:10
「ふん激戦士」こと川添達雄さんは、2003年にお亡くなりになりました。その活動家名をとって「モンスター須藤」などとあだ名される、”心優しき怪人”でした。何をやらせても人並みはずれた方で、数々の伝説が残っています。
こちらにリンクしようと思いましたが、方式が違うらしく、うまくいかないのでコメントにて失礼します。
最後に、須藤さんのエピソードを好意的に取り上げていただき、かつての彼の同志の一人として、心よりお礼申しあげます。ありがとうございました。
http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=308
Posted by 草加耕助 at 2006年11月16日 21:20
>草加耕助様
 
 S氏が3年も前に亡くなられていたことを貴ブログで初めて知らされ、「パルチザン戦記」から受けた豪放磊落な印象と自殺という行為とのあまりのギャップにただただ驚いております。

 >「だれ一人として傷つける可能性は全くなく、それでいて警備・公安警察に与える打撃は甚大である」という点において画期的でした。

 今でも、この事件をTVニュースで知った時、思わず「やったぜ!」と心の中で快哉を叫んだことを鮮烈に覚えております。そして事件直後の機関紙「SENKI」の大見出し「人民のフン激を思い知れ!」に大笑いしたことも。

 この事件を興味本位な視点でしか取り上げていない点、心苦しいですが、あらためてS氏の御冥福を祈らせて頂きたいと思います。
Posted by 下等遊民 at 2006年11月17日 20:37
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