てくれば、これは言うまでもなく女王様のオシッコの謂いであ
り、これが沼正三氏の「家畜人ヤプー」に由来しているという
ことは、この小説を一度でも読んだことのある人なら誰でも納
得するところであろう。
ところでM派男性にとって神酒やネクタールと同じくらい魅
惑的な言葉である「顔面騎乗」のルーツということになると、
存外こちらの方は知られていないのではなかろうか。
実は、かつて「家畜人」(一水社)というSM雑誌がこの問
題に関して綿密な調査を行い、1998年10月号の「顔面騎
乗の研究」という論文で、顔面騎乗という新造語を最初に使った
のは田沼醜男氏(醜男はシコオと読む。この自虐的ペンネーム
が面白い。)で、その作品は「奇譚クラブ」昭和35年10月
号に発表した「マゾヒズム天国」であると結論を下したことが
あった。(但し、この作品に登場する女王様は人間の女性では
なくアンドロイド)。田沼醜男氏は昭和30年代後半、「奇譚
クラブ」や「裏窓」などのSM誌で健筆を揮っており、私も昔、
古書店で購入したこのテの雑誌で氏の作品はよく目にした記憶
がある。
このテの雑誌では、投稿者が全員匿名であるため、田沼醜男
氏のごときユニークなペンネームは珍しくなく、同種の自虐的
ペンネームとしては下須畜男氏(「裏窓」誌に「犬の楽園」と
いう作品を発表)が記憶に残っている。
さて、その田沼醜男氏の名前も昔日のSM誌御三家「奇譚ク
ラブ」「裏窓」「風俗奇譚」が消え去った後は、全くと言って
いいほど目にすることがなかったのであるが、どうしたわけか
「スナイパーEVE」誌(ワイレア出版)の最新号(2005
年11月号)に長年の沈黙を破って突如「マゾ派人生回顧録・
第一回」を発表しているのを見つけた。今や御年75才という
長老であるが、このエッセーの中で、氏が5年ほど前にオラ
ンダ系ハーフのアスカ女王様と交わした会話が取り上げられて
いて、実践の方もまだまだ現役であることが窺える。
今回のエッセーでは主として「大平洋戦争」の頃の思い出が
書かれているが、マゾヒストという特異な立場から日本の軍国
主義や皇国史観をも俎上に載せているところが興味深い。谷崎
文学に関する造詣も深く、これからの連載が楽しみである。
なお「スナイパーEVE」誌11月号には、ポーリーヌ・レ
アージュの「オー嬢の物語」やジョン・ファウルズの「コレク
ター」などの書評もあって、こちらの方もなかなか面白く読む
ことができた。
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少し前に「顔面騎乗の起源」というエントリーをしたことがあって懐かしくなりました ^^
TBが文字化けしてしまって失礼しました。こちらの問題とは思いますが、よくわかりません。
ところで、最近引っ越しました。
もしよろしければ相互リンクをお願いします。
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