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サブカル雑食手帳

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2015年06月23日

元少年Aの手記について

 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者である元少年Aの手記「絶歌」(太田出版)を読んだ。
 ドストエフスキー「罪と罰」、太宰治「人間失格」、三島由紀夫「金閣寺」、村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」、村上春樹「海辺のカフカ」など著名な文学作品からの我田引水的引用が多いのが何ともキザっぽくて鼻についた(実際、ネット上で散見する読者レビューも、「全編ナルシシズムに満ちたきしょい自伝的小説」「殺人犯の武勇伝本」「胸糞が悪くなるほどの自己陶酔本」といった類いのものが圧倒的多数を占めている)とは言え、この本には、かつて少年Aを猟奇的犯行に駆り立てた「性的サディズム」(「精神鑑定書」より)が、彼の内部でどのように形成されていったかを解明する上で役立つ部分も少なからず含まれているように思った。とりわけ、亡くなった祖母の部屋で実行された「冒涜の儀式」について書かれた「原罪」という節の中の文章は、少年Aの中で、いかにして「苦痛」と「快楽」が不可分のもの(手記によると少年Aは他者の身体のみならず、自分自身の身体を傷つけることにもある種の性的快楽を見出していたようだ)となってしまったかという問いに対する明快な答えであるとも言えるだろう。
(以下引用)

 「祖母が亡くなってからも、僕はよく祖母の部屋へ行き、祖母と一緒に過ごした想い出に浸った。祖母のいなくなった部屋は残酷なほど静かで、僕の喪失感を否が上にも倍増させた。それでも祖母の部屋へ行かずにはいられなかった。
 ある時、祖母の部屋の押し入れの扉を開けた。押し入れは二段式で、上の段に祖母が使っていた布団があり、下の段の奥には祖母の着物が二着、きれいに折り畳まれ仕舞われていた。その着物のすぐ横に、祖母の愛用した電気按摩器が置かれていた。肩凝りのひどかった祖母は、よくこれを使って自分の肩をマッサージしていた。僕もその按摩器を使って祖母の肩や脚をマッサージしたことがあった。
 僕はおもむろに押入れから電気按摩器を取り出した。全長は三十センチほど。グリップ部は黄色で直径は缶コーヒーくらい。先端はお椀型に広がり、身体に当てる部分は肌色の弾力のある素材でできていた。そこに触れると祖母の温もりや感触がまだ残っているように感じられた。8の字に束ねられたコードを解き、プラグをコンセントに挿し込む。祖母の位牌の前に正座し、電源を入れ、振動の強さを中間に設定し、祖母の想い出と戯れるように、肩や腕や脚、頬や頭や喉に按摩器を押し当て、かつて祖母を癒したであろう心地よい振動に身を委ねた。
 何の気なしにペニスにも当ててみる。その時突然、身体じゅうを揺さぶっている異質の感覚を意識した。まだ包皮も剥けていないペニスが、痛みを伴いながらみるみる膨らんでくる。ペニスがそんなふうに大きくなるなんて知らなかった。僕は急に怖くなった。
 不意に激しい尿意を感じた。こんなところで漏らしては大ごとになる。だがどうしても途中でやめることができなかった。苦痛に近い快楽に悶える身体。正座し、背を丸め前のめりになり、按摩器の振動にシンクロするように全身を痙攣させるその姿は、後ろから見れば割腹でもしているように映ったかもしれない。
 遠のく意識の中で、僕は必死に祖母の幻影を追いかけた。祖母の声、祖母の匂い、祖母の感触・・・・・・。涙と鼻水とよだれが混ざり合い、按摩器を掴む両手にボタボタと糸を引いて滴り落ちた。
 次の瞬間、尿道に針金を突っ込まれたような激痛が走った。あまりの痛さに一瞬呼吸が止まり、僕は按摩器を手放し畳の上に倒れ込んだ。
数分気絶していたようだった。眼を開けると電源が入れっぱなしになった按摩器の振動が畳を這って頬に伝わってきた。
 体勢を起こし、按摩器のスイッチを切ると、しばらく呆けたように宙を見つめた。下着のなかにひんやりとした不快感がある。『血でも出たのかもしれない』。そう思い下着をめくると、見たこともない白濁したジェル状の液体がこびりついていた。
 性的な知識など何もなかった。だが自分がしたことが、とんでもなく穢らわしい行為であるというのは、直感的に感じ取った。
 僕は祖母の位牌の前で、祖母の遺影に見つめられながら、祖母の愛用していた遺品で、祖母のことを想いながら、精通を経験した。
 僕のなかで、“性”と“死”が“罪悪感”という接着剤でがっちりと結合した瞬間だった。」(引用ここまで)

ちなみに、「射精に伴う激痛」については、後に精神科医に話したところ、「性欲に対する罪悪感の表れ」であるとの説明を受けたそうであるが、もしこれが泌尿器科医だったとしてもまったく同じ説明をしたであろうか。いずれにしろ、この「射精に伴う激痛」こそが少年Aの「性的サディズム」の原点であることだけは確かだろう。
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2015年06月12日

追悼・吸血鬼ドラキュラ

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 1958年公開のホラー映画「吸血鬼ドラキュラ」を始め、多くのホラー映画で名演技を披露してきた怪優(?)クリストファー・リーが昨日、逝去されたとのこと(享年93)。ホラー映画の中でもドラキュラ物はとりわけ大好物(美女を次々と襲ってはその生血を吸い不老不死の肉体を保っていくなんてこりゃもう「憧れるな」という方がどだい無理でやんすな)なのでこれまで様々なドラキュラ映画を見てきたが、やっぱドラキュラ伯爵をやらせたらクリストファー・リーの右に出る者はいないのではないだろうか(B級感では「処女の生血」のウド・キアがダントツだったが、格調という点ではクリストファー・リーに敵わない)。そんなわけで、今夜はクリストファー・リー主演の「吸血鬼ドラキュラ」を久しぶりに見てみたい気分になったきた。合掌(でいいのかな?)。

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2015年05月31日

「性科学」の殉教者・高橋鐵

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 「週刊現代」2月7日号の袋とじ企画「完全なる態位」に、「伝説の性科学者・高橋鐵の世界」というキャッチコピーが付されているのを見て、没後44年経っても、好事家の世界では、高橋鐵氏の人気がいまだ健在であることにあらためて驚かされたが、今日5月31日は、伝説の性科学者・高橋鐵氏の命日(1971年没)ということなんで、取りあえず今回は木本至著「雑誌で読む戦後史」(新潮選書)より、1950年代前半、高橋鐵氏が主宰していた「あまとりあ」(1951年3月〜1955年8月)という雑誌について書かれた文章の一部を↓に紹介しておくことにしたい。

 「猥褻の根源たる性を研究するような不届きな雑誌は、その芽のうちに摘みとってしまえ、と当局が繰り出した嫌がらせに対し、<和製ヒトラー共に潰されるまでは続刊>(2号巻頭)と抵抗宣言した『あまとりあ』は12月号になって再び摘発の厄に遭う。緊縛の絵師伊藤晴雨描く8葉の連続絵『女賊捕物帖』。捕吏と女賊が取っ組みあいながら裸になっていく構成の妙が醸す妖しいエロティシズム、美しい色彩と節度を心得た描写は晴雨晩年の傑作と評せるが、例の“連想”の論理で猥褻の認定を受けた。更に翌27年12月号もまた『日本艶画史』『バイロス画集』を理由に3度目の摘発押収。」

 ちなみに、高橋鐵氏の著書で最も思い出深いのは、アブノーマル(?)な性癖に悩む読者からの相談とそれに対する氏の回答を集めた「あぶ・らぶ」(1966年刊)という本である。その理由は、高校時代のことだったと記憶するが、この本が版元(青友社)で絶版状態だったため、氏に直接、再版予定の有無を問う手紙を出したところ、「本の代金を送ってくれれば著者分として所有しているものを送ります。」とのことだったので、早速、本の代金を送ったところ、氏のサイン入り「あぶ・らぶ」が送られてきたなんてことがあったためであるが、それはともかくとして、本の頁を繰ってみると、アブノーマル(?)な性癖に悩む読者からの相談には例えばこんなものがあったりもするのである。

 「私の変態性欲の歴史を略述し、生きて行く希望の最後の灯に点火して下さるような御回答に一切の望みを託します。
 物心がついた時から私は奇怪な幻想に捕えられました。美少女や美少年に跨ってもらいたいという幻想です。私が最も切望した状態というのは、美少女の股の間に私の顔がしっかりと挟みこまれていることで、更に直接にその美少女の尿を飲みあるいは美少女の肛門と、私の鼻を密着させたまま放屁してもらいたいということでした。(後略)」(高橋鐵著「あぶ・らぶ」より)

 それにしてもこの程度の無邪気な妄想ごときで、さんざん悩んだ挙句、学者に相談までしてしまうとは当時の「変態さん」はなんとナイーブだったことだろうか!

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2015年05月23日

24000のキッス

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 日本にこんな記念日があったとは露知らなかったが、何気なしにウィキの「今日は何の日」を見ると、今日5月23日は何と(別に驚くほどのことでもないが)「キスの日」なんだとか。1946年(昭和21年)、日本で初めてキスシーンが登場する映画「はたちの青春」(佐々木康監督)が初めて上映された日が5月23日だったというのがその由来であるらしいが、どうせなら国会議員のセンセイ達もこういう日を選んで「路チュー 」をすれば、「国の記念日を祝うため」的な大義名分を持ち出すこともできたんじゃなかろうか。「キスの日」と聞いて、その昔、「24000のキッス」なんてトンデモなタイトルの曲が流行っていたことを思い出したんで、早速、Youtubeで探してみたら、めでたく見つけることができました(さすがYoutube!)。↓





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2015年05月10日

消えた廃墟ラブホテル

 地元にある廃墟ラブホテル・ロンドンについては、4年ほど前に「廃墟としてのラブホテル」というエントリーで取り上げたことがあったが、つい先日、たまたまこの近くを通りがかった際、かつては異様にして魅惑的なオーラを濃厚に漂わせていたあのゴシックホラー風建物が今や影も形もなくなってしまっているのを発見した。後で、この廃墟のすぐ近くに住んでいる知人の一人に訊いてみたところ、どうやら半年ほど前に全部取り壊されてしまったらしい。その知人によれば、現在、更地になっている跡地は、隣接する特別養護老人ホームを経営する事業団が買い上げたとのことであるが、そのあたりの真偽のほどは定かならず。いずれにしろ、コアな廃墟マニアにとっての重要文化財(?)の一つが日本から永遠に消え去ってしまったことだけは確かだろう(orz)。

<廃ホテル・ロンドン関連のサイト一覧>

みんなでラブホ行こうよ(※ただし廃墟に限る)!超魔界帝国の逆襲 


ホテルロンドン(1)


ホテルロンドン(2)


地獄の戦鎚記録:ホテルロンドン1


ほっこり廃墟ツアー「ロン○ン1」


さらに動画で御覧になりたい方は↓をどうぞ!

http://xpro.blog23.fc2.com/blog-entry-1200.html
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2015年05月03日

「日本国憲法」なのだ!

 今回は、憲法記念日ってことで、ちょっとおもろい憲法関連本を三冊ほど紹介させていただきます。まず一冊目は、赤塚不二夫・永井憲一共著「『日本国憲法』なのだ!」(草土文化)。天才バカボンのキャラクターが日本国憲法の基本理念を私のような○○にもわかるような平易な言葉で解説してくれているところがミソ。また大日本帝国憲法(明治憲法)が付録についているため、新旧憲法の違いを検証する場合にも大変便利である。続く二冊目は、森田優子著「Constitution Girls 日本国憲法ー萌えて覚える憲法学の基本」(PHP研究所)。10人のイラストレーターが描いた憲法娘たちが、「前文」、「条文」、「条文の意味とその背景」、「判例や論点」などを「萌え」的に解説。「萌え」と「憲法」は、この国の原点です!? 3冊目は、谷口真由美著「日本国憲法 ・大阪おばちゃん語訳」( 文藝春秋)。「戦争は棄てましてん(9条)」とか「人権ってええもんちゃう?(11条)」とか、とにかく徹頭徹尾、大阪のおばちゃん語で書かれた憲法解説本である。ちなみに、著者の谷口真由美氏は、4月24日深夜のテレビ朝日「朝まで生テレビ(激論!憲法9条と日本の平和)」にもパネリストの一人として出演していたが、本と同じく、いかにも大阪のおばちゃん風な漫談ノリで喋っているのを見て一発でファンになってしまった。

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2015年04月25日

女性誌「an an」と吉本・埴谷論争

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 フェチ的執念とは恐ろしいもので、「an an」という女性誌にはこれまでまったく目をくれることなどなかったにもかかわらず、近所のコンビニの週刊誌置き場で、「an an」最新号の表紙に「美尻」の文字があることをすぐさま発見。「やはり老舗のファッション誌としては、最近の『美尻ブーム』なるものを看過するわけにはいかなかったんだろうな」などとどうでもいいことを考えているうち、フト、30年以上前にこの女性誌がもとで、吉本・埴谷論争なるものが勃発したことを思い出した。「an an」1984年9月21日号に、思想界の巨人(?)吉本隆明氏(故人)がコム・デ・ギャルソンを着て登場したことに対し、もう一方の思想界の巨人(?)埴谷雄高氏(故人)が、「『ぶったくり商品』のCM画像に、『現代思想界をリードする吉本隆明』がなってくれることに、吾国の高度資本主義は、まことに『後光』が射す思いを懐いたことでしょう」と猛批判したのが論争の始まりだった。これに対し、吉本氏は、「『アンアン』という雑誌は、先進資本主義国である日本の中学や高校出のOLを読者対象として、その消費生活のファッション便覧の役割をもつ愉しい雑誌です。総じて消費生活用の雑誌は生産の観点と逆に読まれなくてはなりませんが、この雑誌の読み方は、貴方の侮蔑をこめた反感と逆さまでなければなりません。先進資本主義国日本の中級ないし下級の女子賃労働者は、こんなファッション便覧に眼くばりするような消費生活をもてるほど、豊かになったのか、というように読まれるべきです。」(『重層的な非決定へ』より)と反論。その後の論争の行方についてはよくわからないのだが、「an an」最新号の表紙を見る限り、この時の吉本氏の「an an」礼賛はけっこう的を射ていたといえるのかも知れない。
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2015年04月17日

自撮りブームの先駆者たち

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 世界的なセルフィー(自撮り)ブームの影響で、棒の先端にスマートフォンを取り付けて撮影できる「自撮り棒」とやらが目下、大流行しているという。日本でも年明け早々、女優の藤原紀香が自身のブログで自撮りした「まん丸お尻」を公開したことで、SNSではちょっとした自尻自撮りブームみたいなものが巻き起こっているようだが、アダルト業界ウォッチャー(?)としては、何はともあれ創業以来、一貫して「素人さん」(?)の自画撮りプライベート映像のみにこだわり続けてきたジェイド系レーベル・自我(この際どうでもいいことだが「自我」と「自画」の語呂合わせはもしかしてフランスの精神分析学者ジャック・ラカンの「鏡像段階説」の影響か)の関係者及びモデルとなった多くの無名の「素人さん」(?)たちこそ、今回の自撮りブームの真の先駆者ということで、ここはひとつ心からの敬意を表しておくことにしたい。

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2015年04月07日

スカトロマニアの必読文献

 ご長寿グルメ漫画「美味しんぼ」の原作者であるとともに、最近は「のりこえねっと」 (ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)の共同代表でもある雁屋哲氏が書いたといわれている幻のスカトロエッセイ集「スカトロピア」については、以前、拙ブログでも2回ほど取り上げたことがあったが、三和出版から発行されている「女王様の便器たちX」 (SANWA
MOOK) の中で、鈴木亨冶というライターが「奇書『スカトロピア』研究」という コラムを書いているのを先日発見してなんとなく嬉しい気分になった。鈴木氏はこのコラムの中で、「さらに昭和40年代といえば、『奇譚クラブ』 が終焉を迎え、各出版社がSМ雑誌を乱発していた時代だ。ようやく“変態”に対する一般大衆の認知が深まりつつあった程度である。そんな黎明期にあって、この『スカトロピア』が著した食糞や排泄にまつわる膨大な知識と考察には目を見張るものがある。あきらかにスカトロ愛がなければ書けない文章なのだ。」と「スカトロピア」を絶賛する一方、今回この本を取り上げたきっかけについては、「たまたまま弊社の古い書庫を整理していて、発見しただけにすぎない」とも書いている(さすが三和出版!)。当方としては、三和出版の古い書庫とやらには他にどんなお宝本(?)が眠っているのか興味津々、是非とも覗いてみたいものである。
 ちなみに、スカトロマニアとして必要とされる教養を身につけるための必読文献としては、この「スカトロピア」のほかに、「糞尿譚」(火野葦平)、「糞・尿・タン」(松沢呉一) 「スカトロジアー糞尿譚」(山田稔)、「滑稽糞尿譚―ウィタ・フンニョアリス」(安岡章太郎) などを挙げることができるだろう。

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2015年03月29日

「昭和天皇実録」発売にちなんで

 宮内庁が24年の歳月をかけて編修したとされる「昭和天皇実録」全19冊の第一巻と第二巻が今月27日に発売された。出版不況がささやかれるさなか、版元の東京書籍では早くも在庫が品切れというから、ピケティ「21世紀の資本」と並んでちょっとしたブームといっても過言ではないだろう。今後はこのブームに便乗した関連本も次々と刊行されるのではなかろうか。
 さて、昭和天皇といえば、9年ほど前になるが、「天皇裕仁と作家三島由紀夫の幸福な死」と題された極め付きのアングラ小説を、正体不明の作者である奥月宴氏がこの小説のあとがきで、著作権放棄というか、今風に言えば、「拡散希望」(実際、新宿の模索舎あたりではこれまでに何度かこの作品の海賊版が出まわっていたそうな)を宣言していたのをいいことに、当ブログで全文紹介させていただいたことがあった。こちらは実録どころか、ストーリー自体はまったくもって荒唐無稽なシロモノ(三島の死をその直前に予見していたという点には驚かされるが)であったが、久しぶりに読み返してみたところ、少なくとも昭和天皇の人物像という点に関しては、ノンフィクションをはるかに超えるほどの説得力とリアリティが感じられたのである。そんなわけで、今回はこの作品中、昭和天皇の人物像に触れた部分から2か所を選んで抜粋しておくことにしよう(興味ある向きは全文を読まれたい)。「激動の時代」を生きた昭和天皇ならではの孤独と苦悩がひしひしと伝わってくること受け合いである。

 「裕仁が生れ落ちてから今まで、七十年間棲んでいたこの世界は、おそらくハプニングというものの無さでも又希有の場であった。そこではいつも誰かしらが彼の二十四時間を裁断し、人間として必要な時間といわゆる国家のための時間とをごちゃまぜにして押し出す労力を誰かれとない多数の人間に割当てていた。そしてその割当てを受けた侍従や主厨や式部は、恰もその仕事を直接裕仁から命じられたように忠実にうやうやしく行うことで二重に彼の自由を奪うのであった。
 東宮当時、良子(ながこ)女王と結婚した時も、皇太子には初夜の肉体的心理的労苦を与えてはならぬという古式にのっとり、彼女の父の久邇宮邦彦(くにのみやくによし)がすでに自ら性の手ほどきを充分にしておいたので、裕仁は処女のおののきや恥じらいというハプニングすら味わうことが出来なかったほどである。」(資料・2

「無類の女好きだった明治天皇の妾腹の子として遺伝梅毒になやまされた大正天皇の長子にしては健康で子供も多く持った裕仁は、死を何より恐れる常識的な生物学者として、生命が動き育つことをひたすら愛したから、生を尻目に後向きに歩くことをダンディズムとして愛する三島が、エロスと死の相を芸術的に融合しようとした試みを理解できる筈がなかった。
 裕仁は無意識に三島の中に敵を見た。この作家の中に花咲く精神こそが、自分を息詰まらせ、あらゆる自由から無縁にし、生きながらミイラにしてガラス箱に納めなくては承知できないのだと、あまりシャープではない彼もその特殊な境遇ゆえに悟り、ふかく心に怖れをたたみこんだのだ。
 口には絶対に出さなかったが、戦争が心底(しんそこ)恐くてならぬ裕仁は、社会党がこのごろしきりに言うように、武器を全く捨てて永世中立を日本が守れたらどんなにいいだろうと考え、もし自分に選挙権というものがあったら社会党に入れるのにとすら考えた程だったから、右翼ファシストのテロルを待望する三島が天皇制の支持者であることは実に困惑させられることだったのである。」(資料・3

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2015年03月19日

八紘一宇で夜露死苦!

 16日の参院予算委で、自民党の三原じゅん子議員が、「『八紘一宇』は日本が建国以来、大切にしてきた価値観」と発言、「八紘一宇」がかつて侵略戦争を正当化するためのスローガンであったことから、この発言に対する批判がネット上でも広がっているようだが、なぜかヤンキー系(?)の人というのは昔からこのテの四字熟語を好んで使いたがるもの。そこで三原じゅん子先生に提案したいのだが、今後は、「八紘一宇」に限らず、「夜露死苦」だの「喧嘩上等」だのといったヤンキー系(?)四字熟語を国会でもバンバン使うようにしていけば、「あ〜なるほど、先生は『八紘一宇』という言葉の深い意味を理解しないまま、単なる軽いノリで言ってしまっただけなんだな」って、もしかすると大目に見てもらえるのではないだろうか。あ、そうそう、ついでに「うんこ座り」のほうも夜露死苦!

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2015年03月13日

災難か僥倖か

「いろんな人の悪意と、体調と、宇宙の摂理が一緒になったときに不幸が起きる。」とは今をときめく噂の政務官の名(迷?)言だが、では↓の動画のような事態もやはり「いろんな人の悪意と、体調と、宇宙の摂理が一緒になった」結果、発生したものと見るべきなのだろうか。
 「いやいや不幸な事態どころかこれこそ僥倖というものである。」と仰るなら、なにも言うことはないのであるが・・・・・。

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2015年03月09日

政界失楽園

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 2009年に急逝した故中川昭一元財務相の未亡人、中川郁子農水政務官(56)と門博文衆院議員(49)の「不倫愛」に関する記事が、「週刊新潮」3月12日号と3月6日付け「日刊ゲンダイ」に掲載されていたが、両方を読み比べてみると、こんな問題にも、「週刊新潮」と「日刊ゲンダイ」のスタンスの違いみたいなものがはっきり表れていて結構面白い。たとえば、「日刊ゲンダイ」の方は、「いい年して“お盛んな”2人だが、不倫愛よりも注目すべきは、2人が互いの地元を行き来していたことだ。政治活動として公費を使って、逢瀬を重ねていたのだとすれば、見過ごせない。」というように、この「事件」をあくまでも政治活動費乱用疑惑の問題として捉えているのに対し、「週刊新潮」の方は、政治活動費の問題はまったくスルーして、「入る店を物色しつつ、人通りの多い芋洗坂にさしかかる。2人の距離はいったん開き、けやき坂近くで人がまばらになると、再び手がつながれた。からみ合った指が2人の親密さを物語っている。そして暗い路地に入ると男性が、指をからませたままの手を郁子政務官の腰に回し、どちらから求めるともなく2人の顔が近づく。見つめ合ったのちに、数秒にわたって唇が重なった。」というように、もっぱら2人の政治活動ならぬ性事活動についての具体的扇情的描写に力を入れている点である(まあこれはこれでなかなかよく出来ているのではあるが)。
 なお、「週刊新潮」の巻頭グラビアには2人の「路チュー」現場盗撮写真も掲載されているが、このあたりの優れた盗撮テクについては、盗撮系アダルトDVDメーカーも襟を正して学ぶべきだろう。

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2015年03月05日

エロ文献の宝庫

 私にとって、このところ不安材料の一つとなっているのが、先月26日に施行されたといわれる空き家対策特別措置法というやつである。この法律、全国で深刻化する空き家問題を解決するために作られたものらしいのだが、仮にこの法律で、「特定空き家」とやらに指定されたりすると、強制撤去・罰金徴収・固定資産税が6倍になるといったリスクが発生するという。私の生家も数年前に父が他界、母は軽度の認知症を発症して現在は老人介護施設のお世話になっているため、もはや廃屋同然の状態なのであるが、実を言うと、この廃屋こそ一歩、足を踏み入れれば、そこは(私が数年間かけて構築した)豪華絢爛(?)なるエロ文献の宝庫であり、私にとっては何物にも代え難い妄想の秘密基地とも言えるのである。
 昭和〜平成にかけて出た様々なエロ雑誌、SМ雑誌、スカトロ雑誌、ビニ本、裏本、アダルトDVD(中でも圧倒的に多いのがスカトロ物と女子トイレ盗撮物)、裏DVD、昭和のエロ写真、ネットからコピーした古今東西のエロ画像などがそれこそ足の踏み場もないほど散乱した、まともな人間が覗いたら、まさに空前絶後の「エロゴミ屋敷」。その「エロゴミ屋敷」へ近所のガキ共からたとえ好奇の目で見られようと暇さえあればせっせと通い続ける私(まるで、悪魔のなんたらといった類いのホラー映画みたいですな)。一旦、空き家と見做された場合、5月からは自治体による立ち入り調査も可能になるそうだが、もしそうなった場合、エロ文献の宝庫というのは、空き家でない証明となり得るのだろうか。
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2015年02月22日

快楽亭ブラック(2代目)のエロ落語にハマる

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 快楽亭ブラック(2代目)と言えば、テレビやラジオ等では到底、放送不可能な不謹慎ネタを得意とする落語家として有名であるが、先日、久しぶりに会った友人から、、快楽亭ブラック(2代目)の「オナニー指南」「オマン公社」「イメクラ五人廻し」の三席を完全収録したDVD「不敬罪」を借りて以来、すっかりこの落語家のエロ落語にハマってしまった。





 

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2015年02月13日

「ふんどしの日」と「1億2000万人総ふんどし化計画」

 森永製菓のあざとい戦略から生まれた「バレンタインデー」も最近では一頃ほどの過熱ぶりは見られなくなったようだが、それに取って代わるかのように急浮上してきたのが、日本ふんどし協会が4年前に、2(ふん)14(どし)の語呂合わせから正式に制定した「ふんどしの日」というやつである。同協会では、目下、「1億2000万人総ふんどし化計画」と題し、2020年までに日本人ひとり1枚の所有を目指し活動を行っているんだとか。

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2015年01月17日

これって野外羞恥プレイ?

これって野外羞恥プレイ? 勤務先である都内某大学の構内で、55歳の男性講師が付き合っていた女子学生の命令で全裸になったところを発見され、その後、勤務先の大学を辞職したというニュースを聞いて、真っ先に頭に浮かんだ妄想がこれだった。どこぞの週刊誌もこの事件に関する記事の見出しに、文豪谷崎の「痴人の愛」というタイトルを借用していたが、この珍事件の真相をどこまでも女子学生のためのメンタルヘルス対策(情緒不安定)だとする大学側の説明がさっぱり理解できず、「女王様」(女子学生)と「奴隷」(55歳男性講師)による新手(?)の「野外羞恥プレイ」だったというんならすんなり理解できてしまうのはやはりガキンチョの頃から今に至るまで様々な「変態雑誌」(奇譚クラブ、風俗草紙、風俗科学、風俗奇譚、裏窓、SMマガジン、S&Mコレクター、SM奇譚、SMファン、SMマニア、S&Mフロンティア、SMセレクト、あぶめんと、問題SM小説、SMスピリッツ、SM秘小説、S&Mスナイパー、スペシャリーS&M 愉芽の叢説、スレイブ通信、ミストレス女王館通信、スナイパーイブetc.)を読み漁ってきた弊害、いや賜物だろうか。

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2015年01月12日

日本最後の「秘宝館」

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 かつては日本全国の温泉街に散在していたエロのテーマパーク「秘宝館」も、老朽化を理由に栃木県日光市の「鬼怒川秘宝館」が昨年いっぱいで閉館したことにより、今年1月からは静岡県熱海市にある「熱海秘宝館」だけが日本で唯一の存在となったしまったようだ。なぜ「熱海秘宝館」だけが生き残れたのか。アトラクションにユーモアセンスを盛り込んだものが多く、そのあたりが女性リピーターの増加につながっているという点も理由の一つとして挙げられるかも知れない。たとえば、マリリン・モンローの等身大人形のスカートが、手前のハンドルを回すと下からの風でまくれ上がるとか、尾崎紅葉の「金色夜叉」をネタに、貫一とお宮が熱海の海岸で別れるシーンのパロディ劇(女性の乳首を模したボタンを押すとナレーションが流れた後、貫一の人形が振り向いてマントの前をはだけ、2人が別れた本当の理由が分かるというもの)など。ちなみに、日本最大の秘宝館と言われていた「伊勢・元祖国際秘宝館」(有名なCМソングもありましたね!)が閉館したのは2007年3月のことだったとか。

<熱海秘宝館テーマソング>

♪いで湯の熱海 夢の町
ときめく世界へ心を誘う
肌の温みが恋しいままに
まぶしく光る 愛の花
そんな思いの そんな思いの 1ページ
愛に 愛に 愛にささやく 熱海秘宝館



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2015年01月09日

絶滅危惧種としてのピンク映画

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「『ピンク映画』という言葉も一般社会においては死語になりつつある。『ポルノ』という言葉すら風化してきた。そして今、映画そのものが大衆娯楽の範疇に入っているかどうかも疑わしい。おそらく、もはやそういう時代ではないのだろう。さらに言うなら、『大衆』という概念もまた曖昧模糊としてきた気がする。国語辞書を執筆、編纂する学者たちは、元を質せば仏教用語だったこの語義を一度洗い直さねばなるまいとすら思う。」(二階堂卓也著「ピンク映画史・欲望のむきだし」より)

 いわゆる「ピンク映画」なるものに何か特別な思い入れがあるわけでもないし、またこれまでにあったこともないのだが、「エロ本」同様、「ピンク映画」もまた今や絶滅の危機に瀕しているなどと聞くと、なぜか急に「ピンク映画」について詳しく書かれた本が読みたくなってしまうもの。そこで、購入してしまったのが「ピンク映画史・欲望のむきだし」(彩流社)という本なのだが、かつては一世を風靡した「東映ニューポルノ」や「日活ロマンポルノ」と違って、その膨大な数のタイトル群すら正規の映画史からはほとんどスルーされてしまっている国映や大蔵映画などの作品に多くの頁が費やされている点は◎。ちなみに、著者の二階堂卓也氏によれば、初回東京五輪があった昭和39年に「ピンク映画」という名称が定着(それ以前は「ピンキー映画」と呼ばれていた)したとのことであるが、果たして次回の東京五輪までに「ピンク映画」はいかなる運命を辿るのであろうか。
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2015年01月02日

週刊誌最新号の目次より

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。目下、これといったネタもないので、取りあえずネットでチェックした週刊誌最新号の目次より多少なりとも面白そうな項目を各誌一つづつチョイスして↓に羅列しておくことに致しました。

「週刊新潮」週刊新潮2015年版 悪魔の人名辞典

「週刊文春」NHKお天気お姉さん〈岡村真美子〉“変態ダブル不倫”低気圧

「週刊朝日」ポール・マッカートニー【独占インタビュー】 「日本公演はファンのため実現させたいんだ」

「週刊現代」「性豪」と「変態」の世界史

「週刊ポスト」「安倍の終わり」がはっきり見えた “爆弾低気圧”小泉進次郎の大渦

「サンデー毎日」追い詰められた『殉愛』「百田尚樹さんに40年の絆がわかるのですか」たかじん長女が明かす「父娘の真実」

「週刊金曜日」「寺山修司」は死なない 今も天界との協同作業続ける (山岡淳一郎)

「週刊アサヒ芸能」大谷翔平番爆乳美女がAV女優に

「週刊大衆」壇蜜と橋本マナミ 覚えておきたい「エロすぎ名言集」

「週刊実話」森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 対立軸がみえてきた

「週刊フライデー」史上最高の壇蜜

「週刊フラッシュ」 あぁ憧憬の'60〜'80年代 消えたアイドルに会 いたい!
posted by 下等遊民 at 14:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする